料理とテクニック

料理人なら一度はハマる落とし穴がある。

超絶技巧だ。

 

まぁ、あまり有名ではないと思うが例えば中華料理では、豆腐を髪の毛の薄さに切り、ひとつの豆腐から十万本を切り出すという技がある。

 

国家認定されているはずなので、それはそれは凄い技と思うが、だからと言って食べたいだろうか?というのはまた別の話かなと。

 

料理も技術の集大成なので、ひとつひとつのことに限りなく極めるべき技術はある。

 

だが、料理人という人種は凝り性なので、ひとつのことを掘り出すと止まらなくなってしまうことがある。

 

職人ならそれでいいのだが、料理人というのはそれだけであってはいけないと私は思っている。

 

もちろん、料理の世界の職人というのもいる。そういう人を馬鹿にするわけではない。料理人と名乗る為には、総合職という考えがないと務まらないと思うのだ。

 

まずは知ること、そして考えること。

 

技術は後から付いてくる。そう思う。出汁巻きしか巻けない料理人がいるか?寿司しか握れない料理人がいるか?オムレツしか巻けない料理人がいるか?刺身しか切れない料理人がいるか?

 

全部を極めることは不可能。だから料理人は一生楽しい。

 

料理を通して自分の得手不得手を知り、自分の限界を知り、成長力や伸びしろを知り、絶えず学び動き続けることが料理人の醍醐味なんだろうなぁと。

 

逆に、ひとつのことで究極まで掘り下げられそうなら職人になれば良い。それができないから料理人と謳っていれば良い。

 

だからある程度の自信を持って料理人だと胸を張れるには、数十年かかりますよと。