解散総選挙、希望と自由と民主主義

何やら騒がしくなってきた。

 

テレビをつければ民進党の話題ばかり。確かに野党第一党が自ら他党に迎合する姿は滑稽である。世論調査でも評価しないという声が多いようだ。

 

小池百合子という人は非常に巧妙である。日本新党から政界入りし、小沢一郎とも手を組んだかと思えば、しっかり自民党でも活躍し、そうかと思えば自民党を敵に回し東京都知事の座についた。そして今回、また政界を揺るがしている。

 

私はこの流れが[小池ブーム]に乗っているとは思えない。

 

都知事を放棄しない以上、今回の選挙で出馬しない以上、総理大臣にはなれない。しかしながら、党代表を若狭氏に任せなかった以上、若狭氏を総理大臣に据えるというのも考えにくいシナリオだ。若狭氏を担ぐならわかるが、そういう気風は見えない。

 

どう考えてもこの解散は、安倍総理大臣の計算され尽くしたものであるような気がしてならない。

 

今回の流れで最も不可思議なのは、民進党の動向である。自民党が288議席民進党が88議席持っていて、民進党の半数の議員が自民党に結託すれば、3分の2以上の議席数になるので、これは憲法を変えられる可能性を持つ。

 

なんのかんのと言いながら、安倍、小池、前原に共通するのは集団的自衛権を認め、憲法を改正すること。

 

そして何より民主主義において改憲に必要なのは、議席数の獲得である。もちろん国民投票も重要だが、議会の意思が見えないのに国民投票はする意味が無い。

 

前原代表の言い分と小池知事の言い分が食い違うのは当然である。これを民進党の翻意を批判する見方でいくか、それとも改憲を見据えた篩い分けと見るかで評価は変わるだろう。

 

去年暮れから今年にかけて、自民党民進党も大いに揺れた。自民党は稲田防衛相やら安倍総理の籠池、加計問題に揺れ、民進党はコロコロと代表を変えなければならないほどまとまりに欠けていた。

 

自民党はそう言いつつも、政権与党なのでいざという時には一枚板を演じることに長けている。だが民進党は恐らくそうではない。明らかに民進党は2つに割れているに違いない。

 

2つに割れた状態で、改憲しようとしても、民進党が確実に自民党議席に上乗せできるかどうかは微妙だったのだろう。安倍総理は自ら手を下すことなく、小池知事の手腕を持って民進党を割る魂胆なのではないだろうか。

 

これが小池知事が選挙に出るなら話は変わる。そして恐らく1年後にはその可能性があった。だから今のうちに解散をして小池知事の国政復帰を牽制しようというのもあるだろう。今なら、まだ小池知事にそこまでの準備は出来てない。そして、今だからこそ小池知事が発揮できる力というのもあるだろう。

 

恐らく、改憲反対派は共産党に票を投じるしかない。自民に入れるのと、希望に入れるのは恐らく同じことだ。

 

自民党希望の党に本当に危機感を抱いているなら、恐らくもっとネガキャンが行われて良いはずだ。そして民進党とはこのネガキャンで泥沼化したので、ここで好戦的な民進党議員を払い下げたいはずなのである。

 

民進党を非難する流れはあっても、希望の党を揶揄する発言は少ない。精々、ブームに乗って改革などできないというくらいのものだ。

 

間違いなく安倍政権は、消費税増税と安保、自衛権を背景とした改憲を成立させたいはずである。それが可能なのも恐らく安倍政権だけであろう。

 

政権選択選挙というのは間違っていると思う。安倍政権からすれば、民進党議席が少し希望の党に流れるだけの話であり、将来的には改憲に向けて希望の党と手を組むだろう。それは公明党と手を取り合えない時のことを考えての策だと思う。

 

今回の選挙は、民進党解体選挙である。何度でも言うが、改憲に反対なら共産党に入れるべきだ。もしくは公明党か。

 

少しだけ政治も変わってきたのかな。昔よりは投票に選択肢が出来てきた。自民党希望の党が合計310議席取れるかどうか。そこが今回の選挙で大事なところではないかと思う。

 

私は安倍政権を支持する。